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事業報告
七尾城プロジェクトによせて

七尾市の活性化のために

 七尾歴史たび研究会(七尾商工会議所・のと共栄信用金庫・攻城団合同会社による任意の団体)の方が来校され“七尾城址を観光資源として見直し、一緒に観光地図を作りましょう”と話をいただいたのは確か平成28年の初夏のころでした。NHKの大河ドラマで真田丸が放送されていた時期で、ゆかりの城である沼田城や地元の沼田女子高校が作成した市街地のマップなどを持参され、他県での取り組みについても説明を受けました。その時は地図を作成する時間をとることは難しいだろうなと思い返事をすることはできませんでした。しかし、地域と連携し、貢献する生徒を育てることを目標として掲げる七尾東雲高校にとってはチャンスではないか、本校がこれから進んでいく方向と合わせることができないだろうかと思い悩み、単に地図を作るのではなく、しっかりとしたテーマをもって取り組んでいかなければならない、1年や2年で終わるような取り組みではなく本校や地域にとって将来につながるものにしたいと強く思うようになり、その気持ちを伝えたところ、そうしましょうと力強い返事を頂き、「観光振興による地域活性化」という大きなテーマのもと、「七尾城の魅力発見と発信のプロジェクト」が動きだすことになりました。地域活性化のために地元の皆さん・企業・高校生が一体となって取り組んでいく夢のような大きなテーマでした。これは私の中では、これからも七尾東雲高校が地域活性化のためにあり続けるという意思表示でもありました。

七尾城プロジェクトという授業と生徒

 このプロジェクトを進めるにあたり、まず体制を整えなければなりませんでした。本校の現状を考えたときに、放課後に有志を集めてこのプロジェクトに取り組むことは不可能でした。プロジェクトを動かすためには授業の中にこの取り組みを入れなければならず、「観光」という本校の授業で取り組むのが一番適していると思いました。該当するのは商業系列ビジネスコースの生徒たちでした。いかに通常の授業とリンクさせるか、それが大変な作業でした。“やりなさい”と指示をすれば動く生徒たちでしたが、それでは意味がありません。生徒に七尾の未来を担っている一人だという自覚を持たせること、人に情報を発信する(伝える)ことのすばらしさと難しさを理解させること、この2点を生徒に浸透させ、自主的に取り組めるかが大きなポイントでした。

 平成28年11月、キックオフセレモニーを当校で開催してプロジェクトは動きだし、平成29年の6月までに七尾城址や七尾城史資料館、山の寺寺院群、七尾市街地を実際に訪ねて、見て、聞いて、調べて、記録することを繰り返しました。プロジェクトが進むなかで、ある時は、普段の授業ではなかなか集中できずに教員に注意される生徒が、生き生きと活動し、またある時は、この生徒はこんなことができたのか、という発見など、このプロジェクトを通じて生徒たちが成長していく様子を見ることができました。ビジネスコースの生徒は、これだけのメンバーがそろうことはなかなかないと思えるくらい、このプロジェクトに適したメンバーに思えました。

 そして、生徒たちはマップの完成、マップ完成報告会、七尾城址の観光ガイドなど、大きなイベントを次々と成し遂げていきました。

人とのつながりを大切に、これからも地域と共に

 昨年の11月以降、生徒たちは多くの報告・発表の機会が与えられました。自ら頑張ってきた自負と自信。自他ともに認められる多方面での成長。取り組む過程や発表の様子は驚くほどの進歩でした。そして、そのなかで生徒たちは自分たちの取り組みを振り返り、本当に多くの人たちに自分たちが支えられてきたということに気付いたようでした。「感謝」の気持ちと、そしてこのプロジェクトを通しての「出会い」や「人とのつながり」を心の財産として欲しいものです。そして、その思いを下級生たちに伝え、これからも七尾東雲高校の生徒が「感謝」の心を持ち、「出会い」や「人とのつながり」を大切にして活躍していって欲しいと思います。

 最後に、七尾東雲高校の活動に協力してくださった七尾城山を愛する会・はろうななお・攻城団合同会社・七尾商工会議所・のと共栄信用金庫・その他ご協力頂いたすべての方々に感謝申し上げます。そして、これからもよろしくお願いいたします。地域一体となった活性化の成功にむけて頑張りましょう。

石川県立七尾東雲高等学校 教諭 山森宣和